啓蟄から三日、世の中は卒業式シーズンを迎えています。一般に小学校・中学校に比べれば、大学進学等を控える高等学校の卒業式は早い時期に組まれるようです。私たちの職場、(仮称)開智所沢準備室のある守谷市のあたりでは3月1日に、毎朝の関東鉄道常総線で通学のひとときを共にしていた水海道一高・水海道二高の生徒さんたちも、学び舎を巣立って行かれました。おめでとうございます。
毎年この時期になると、卒業の日に歌われる卒業ソングが話題になります。多くの人々が思い浮かべる曲の一つが、レミオロメンの『3月9日』ですね。2004年のリリース以来20年間にわたって、たくさんの卒業生に歌い継がれて来ました。お子様の卒業式で、いつの間にか立派に成長した若者たちがあの歌を歌う姿に、思わず涙された親御さんも少なくないでしょう(実は私もそのひとりです)。
あの歌はもともと、藤巻亮太さんが結婚する友人のために書いた曲であることもよく知られた話です。日毎に暖かくなる朝の光、時折吹く強い風、そしておおきなあくび…この時期らしい季節感を巧みに織り込みながら、日常のなかにある何気ない幸せを愛おしく思い、同じ時間を共有する仲間への感謝を込めて書かれたその歌詞が、卒業生の心情にも強く共鳴するのでしょう。私たち教員もまた『3月9日』を聞きながら、卒業する生徒たち一人ひとりがこの先の人生でそれぞれの花を咲かせてくれることを確信し、花を待つ楽しみを分かち合うことができる教員としての喜びや誇りのような気持ちを、改めて感じたものです。